「選挙区浸透」道半ば 有名&無名候補のタッグ(産経新聞)

【断面 2010参院選】

 ■比例は“地元”を押さえる動き

 16日午後、山梨県のJR甲府駅前で、夏の参院選に自民党公認で出馬する2人が初めてそろって街頭演説をした。ひとりは、山梨選挙区の元教師、宮川典子氏(31)、もうひとりは比例代表の堀内恒夫氏(62)だ。

 「わが郷土、山梨を愛する宮川典子さん、心はまっすぐだ。宮川さんと、山梨を教育とスポーツの面でよくしていこうではないか」

 街宣車に立った堀内氏は有権者を前に、宮川氏の名を連呼した。

 元プロ野球選手の堀内氏が抜群の知名度を誇るのに対して、宮川氏はほとんど無名である。自民党は、有名人候補と組んだ選挙運動の場をつくることで、無名候補の知名度の底上げを図り、票の掘り起こしにつなげる戦略をとっているのだ。

 宮川氏にとって堀内氏は、知名度だけでなく出身高校、甲府商業などで幅広い人脈を持つ強力な「助っ人」だ。堀内陣営の関係者は「選挙活動の4分の1は地元になるのではないか」とみている。堀内氏の動きは宮川氏の運命を左右すると言ってもいいほどである。

 宮川氏の対抗馬は、元山梨県教職員組合(山教組)委員長で日教組に強い影響力を持つ民主党の輿石東参院議員会長(74)。自民党政権時代の“参院のドン”だった青木幹雄自民党前参院議員会長(75)が出馬を断念したことで、現在の“参院のドン”となった輿石氏が出馬する山梨選挙区はさらに注目され、自民党も「打倒民主党」の象徴的選挙区と位置づけ、猛攻勢をかけている。

 9日に県内で開かれた日教組を批判する集会は、パネリストとして出席した宮川氏に奮起を促す声であふれ、さながら「宮川決起大会」の様相となった。

 すると突然、場内の1人が「まだ宮川さんを知らない人が多いぞ!」と叫び、会場は静まりかえった。高揚感に包まれていた集会の雰囲気は一気に現実に引き戻された。会場のだれもが、宮川氏が依然、選挙区に浸透しきれていないことを知っている。有名候補との組み合わせ作戦は道半ばなのだ。

 プロ野球巨人で通算203勝を挙げた堀内氏は、全国的な集票が期待できる「超目玉候補」として自民党から迎えられた。14日に都内で行われた事務所開きでは、擁立にかかわった二階俊博前選対局長が「(巨人の親会社である)読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社会長から『堀内さんに万一のことがあるようなことがあってはならない』と言われた」と必勝を訴えた。

 その堀内氏も、地元の票固めが不可欠になった。たちあがれ日本から中畑清元巨人内野手(56)が出馬したことで、票の目減りは避けられなくなったためだ。

 自民党執行部は参院選比例代表候補に、著名人や、独自の後援会組織を持つ前衆院議員を積極的に擁立した。業界団体が相次いで離反し、一時は500万人以上いた党員が平成21年末時点で100万人割れにまで落ち込んだ結果、「党」の組織力ではなく「候補者」自身の力に頼る必要に迫られている。

 ただ、著名人候補は乱立模様だ。比例代表候補はこれまで全国に薄く広く支持層を伸ばす形が多かったが、堀内氏の山梨県のように「地元」を押さえる動きが活発化している。ところによっては陣取り合戦の様相を呈している。

 岐阜1区から東京5区へ国替えして昨年の衆院選に出馬、落選した佐藤ゆかり氏(48)は岐阜市内に事務所を復活させ、岐阜県での支持拡大をねらっている。しかし、支部長争いを演じた野田聖子元郵政相は女優、三原じゅん子氏(45)を「友人」と持ち上げている。党選対関係者は「野田氏の支持者は間違いなく三原氏に入れるだろう」と分析している。岐阜の地盤をめぐって、女性の有名候補2人がしのぎを削ることになる。(水内茂幸)

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